経済産業省原子力安全・保安院は26日、福島第1原子力発電所1~3号機から放出された放射性セシウム137が、広島に投下された原子爆弾の168個分にあたるとの試算結果を公表した。保安院は「原爆が人体や環境に影響を与えたのは爆風や熱風、中性子線などの要因が大きい。単純比較はできない」と説明している。
試算によると、セシウム137は福島第1原発から1万5000テラ(テラは1兆)ベクレルが放出された。またヨウ素131は16万テラベクレル、ストロンチウム90は140テラベクレル出た。それぞれ広島原爆2.5個分、2.4個分に相当するという。
保安院は衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会からの要請を受けて試算。「放射性物質の放出量での単純比較は合理的でない」との意見も付記して公表した。福島第1原発からの放出量は政府が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書に基づく。
原爆による放出量は国連科学委員会のデータをもとにまとめた。セシウム137の放出量は89テラベクレルと見積もられている。
福島第1原子力発電所、セシウム放出量、原子力安全・保安院、IAEA、保安院
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