【オークランド(米カリフォルニア州)20日(日本時間21日)】米大リーグ、アスレチックスの松井秀喜外野手(37)がブルージェイズ戦に「4番・DH」で出場し4打数2安打1打点。5-1の勝利に貢献した。一回に6試合連続安打となる同点適時打を放つなど、8試合ぶりの複数安打をマーク。勝負強さが戻り、後半戦の得点圏打率を.526とした。

 まだ多くの地元ファンが観客席に座る前だった。松井が1点を追う一回一死一、二塁から同点適時打。糸を引くような打球を左前へ飛ばした。

 「シンカー系の球。ああいう感じで打てたのはよかった。強引にいったらゴロになっちゃう球だったと思う」

 先制された直後に、松井が試合の流れを引き戻した。ブルージェイズのホセ・モリーナ捕手(36)は1歳年下でヤンキース時代に仲のよかった同僚。打席に入る際は「ずっとあいさつがなかったな」などと“ささやき戦術”を仕掛けられたが動じない。併殺打を狙った外角球を流し打ち、「内野ゴロを打たせたかったが、さすがだ。ずっと変わらず素晴らしい打者だ」と脱帽させた。

 先発の新人右腕、ヘンダーソン・アルバレス投手(21)とは、10日前に敵地トロントで初対戦。左ふくらはぎの内側に今季初死球を受け、この日も六回に足下へ速球を投げられた。「あれは大丈夫。でも、モリーナに文句を言っておきました」と松井。直後のチェンジアップを中前へ弾き返し、8試合ぶりの複数安打で雪辱した。

 チーム2冠王のジョシュ・ウィリンハム外野手(32)が休養でスタメン落ち。代わりに約1カ月ぶりの4番に入った松井は、勝負強さが戻ってきた。後半戦の得点圏打率は驚異の・526(38打数20安打)。シーズンを通しても・330(100打数33安打)とし、ア・リーグ8位に浮上した。

 「きょうは全体的にいい対応ができていた」と松井。この好調ぶりと勝負強さは、トレードでの補強を画策している上位球団には魅力的だが…。

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