東日本大震災
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【社会】震災乗り越え さんま祭り 被災地「支援の恩返し」2011年8月26日 13時56分
「復興に向け頑張っている姿を見せたい」−。岩手、宮城両県の各港で水揚げされたサンマを焼いて無料で振る舞う「さんま祭り」が来月、相次いで東京都内で開かれる。祭り実施には、被災地の人たちの支援への恩返し、震災被害を乗り越える思いが込められている。(松村裕子) 祭りは落語の「目黒のさんま」にちなむ。九月四日に目黒駅東口(品川区)で、同十八日には同駅西側の公園(目黒区)で開催。同二十三日は東京タワー(港区)でも行われる。 目黒駅東口には、岩手県宮古市が前日に宮古港に水揚げされた六千匹以上を運び込む。津波で実習船が壊れた宮古水産高校の生徒が初参加し、実習で作ったサンマの缶詰を販売し、調理を手伝う。 同校の熊谷正樹副校長は「消費者に未来の生産者としてPRしたい」と生徒参加の狙いを話す。品川区は、生徒らの旅費を負担し、「今後の復興に協力したい」(担当者)とバックアップを誓う。 実行委員会は、宮古港のサンマが入手できなくても、長い間無償で提供してくれた宮古市の復興支援のために祭りを開くつもりだった。だが、実行委員長の中崎政和さんらが五月に宮古市に義援金を届けた際、同市から「何とかサンマを届ける」という申し出を受けた。宮古港には今月二十二日、震災後初めての水揚げがあった。 中崎さんは「復興支援のために、例年以上に特産品の販売を増やしましょうと勧めたら、宮古市の人たちに『売る物がない』と言われ、被害の大きさをあらためて感じた。これからも復興への後押しを続けたい」と同市一行を温かく迎える構え。 目黒区側の公園では宮城県気仙沼市から約五千匹、東京タワーでは岩手県大船渡市から三千三百三十三匹のサンマがそれぞれ振る舞われる。両市は「元気だとアピールしたい」と意気込んでいる。 (東京新聞) PR情報
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