信大病院で医師の診察を受ける福島県内に住む子ども |
松本市の認定NPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」(JCF)は25日、福島第1原発事故の影響から逃れて茅野市に滞在中の福島県内の子どもを対象に、松本市の信大病院で健康調査を実施した。希望した約70人が医師の問診と血液や尿の検査を受けた。
対象は、7月から通信販売のカタログハウス(東京都)が茅野市郊外の白樺湖などに7泊8日ずつ無料招待している子どもたち。健康調査は4回目で、この日が最終回。血液検査では甲状腺ホルモンへの影響の有無、尿検査では放射性セシウムが検出されるかどうかを調べた。セシウム以外は26日にも結果が出る。
福島市で放射線量が局地的に高い渡利地区に住む母親(35)は「積算した放射線量の影響がどうなるか、専門家の間でも意見が割れているのが不安。子どもに診察を受けさせたのも、安心したいから」。中学3年生の双子の息子がいる福島市の遠藤瑞恵さん(52)は「福島で健康調査を待っていてもいつになるか分からない。受けられただけでも長野県に来たかいがあった」と話していた。
JCFの神谷さだ子事務局長は「チェルノブイリ原発事故に関わって、定期的な診察はずっと必要だと思っている。早い時期から放射能の影響のチェックが必要」と指摘している。