島田紳助さん芸能界引退と暴力団排除条例について若狭 勝弁護士の解説です。
タレント・島田紳助さん(55)が23日夜、暴力団関係者と連絡を取っていた事実を明らかにし、芸能界を引退することを発表した。
10月1日にすべての都道府県で施行される暴力団排除条例は、暴力団関係者と一緒に食事をしたり、ゴルフをしたりするなど、社会的に非難される関係が確認された場合、警察やそれぞれの自治体に、「密接交際者」に認定される。
東京都では、10月1日から施行されるが、1つの例として、立ち入り検査や勧告したうえで認定され、公表されるという。
さらに、実際に密接交際者と認定されると、銀行からの融資や当座預金の開設が禁止されたり、新車を購入することができなくなったり、賃貸住宅の契約もできなくなるよう、関係機関が各業界団体に働きかけているという。
元東京地検公安部長の若狭 勝弁護士の解説です。
今回の島田(紳助)さんが密接交際者になるかというと、結論的にはちょっとなりにくい。
4回・5回会ったりしているというだけだと、ちょっと弱いと。
要するに、真ん中に線引きがあって、一般人と暴力団というのがいた場合、この線引きよりも、基本的なスタンスが暴力団側にある人間が密接交際者というんであって、この線引きよりも一般人側に基本的なスタンスがあるとすると、その人を暴力団と若干交際があったとしても、それを密接交際者だとか密接関係者といって、いろんな銀行の口座が開設できないとか、いろんな権利の制限をするっていうのは、ちょっと難しいと思いますね。
(島田さんは、暴力団関係者との関係を「この程度」と表現していたが?)
最近の動きは、こういう暴力団と交際している、反社会的勢力と交際していたりなんかすると、どんどんやっぱり厳しい見方をされてきているという、大きなうねりはあるんですね。
ですが、その中で、島田さんも今回、辞めるという決断をしたということがあると思うんですね。
(なぜ昔のメールが今、出てきたのか?)
これは、5年とか6年前とか、昔の古いメールが今回情報提供されたと、されているんですが、こういう事件を考える場合は、この情報提供が、どういう動機で、どういう形で、誰が伝えたのかというのをきちんと考えることが、ひいては、今現在も暴力団と紳助さんとの間に何かがうごめいているのかどうかとか、そういうのを考える大きなきっかけにはなる。
昨日(23日)の会見ですと、このへんのところが、どういう形でこういうメールが寄せられたのか、吉本に寄せられたのかという件については、極めてぼかしてというか、あいまいだったものですから、そういう意味では、このへんがはっきりすると、今後、この動きがどうなっていくのかとか、これで収まるのかとかいうのが、判断できると思われます。
(都の条例の中に「交際をしてはならない」。この「交際」という言葉の定義で、どこまでやると交際になるのかというところの解釈によって、条例の運用には危うさというのもあるのでは?)
そもそも、基準としては抽象的な言葉にはなってるんで、そういう意味においては、仮に暴力団が相手だとか、暴力団の交際者が相手だといっても、そのへんのところをきちっとチェックしないと、やがては、一般人に対して、どんどん制約が加わるということなので、十分に留意していかないといけない点だとは思います。
(08/24 18:48)