小説を書いたことありますか? 小説を「書いたことがある」というだけなら、該当する人は多いのではないでしょうか。一方、「何か熱に浮かされたように小説を書きだしたものの、挫折した」という経験のある人も、かなり多いと思います。
小説を完成できない主な原因は「準備不足」。人間は熱しやすく冷めやすい生き物です。書き始めた当初の情熱は、なかなか長続きしないのです。ほんの一部の「天才」を除き、衝動だけでは小説を書きあげることはできません。書き始める前に綿密に準備をして、計画通りに淡々と書き進める。これが小説を書きあげるコツです。
【起承転結をはっきりさせて文章を書くには?】
■その1:舞台設定
小説の準備でまず必要となるのが「舞台設定」です。つまり、「小説の題材を考える」。これがないと始まりません。人によって、書きたいジャンルはいろいろありますが、「書きたい」よりも「書きやすい」を優先させるなら、私小説のように自分が経験したことを題材にするのが断然有利です。
私小説を選ぶメリットは2つ。1つ目は、自分が経験したことなので、書くための調査がほとんど必要ないということ。自分の記憶を掘り起こすだけOKです。2つ目は、自分では当たり前だと思っていることでも、他の人から見れば新鮮に見えることがあるという点です。「自分の人生なんて…」と卑下せずに、私小説にチャレンジしてみましょう。
しかし、私小説といっても、「本当に体験したことをありのままに書く」というわけではありません。「小説」ですから、自分の体験をもとに自由に脚色してください。また、主人公も「自分自身」とは限りません。「自分を思いきり美化したもの」もしくは「自分以外の誰か」でもOK。あくまで、出発点が「自分の経験」であり、そこから先の展開は自由自在です。
■その2:登場人物
書きやすくするためには、自分の知っている人物を参考にキャラクターを作りあげるのもあり。実在の人物を正確に描写するのではなく、例えば外見はAさん、性格はBさん…というように、知っている人物の特徴を組み合わせて、個性的・魅力的な登場人物を設定しましょう。また、自分の小説がドラマ化・映画化されたのを想像して、「主人公は蒼井優で…」「この役は絶対に松山ケンイチ!」というように、芸能人のイメージを借りるのも面白いと思います。
■その3:あらすじ
あらすじといえば、「起承転結」。あらすじを考える上で、最も大事なのは「結」です。つまり、ゴールがはっきりしていれば、小説は書きやすくなります。ありがちな失敗は、「転」のイメージだけで小説を書き始めるというパターン。つまり、ドラマティックな展開が頭の中にあり、「書きたい!」という衝動に突き動かされるということです。
着地点がないと、物語は空中分解します。「起承転結」の「結」を固めて、ゴールを目指しましょう。あらすじが決まっていても、実際に書いているうちに、「もしかしたら、別の案のほうが面白いのでは?」と思うことがあります。そうなった場合でも、なるべく当初のあらすじを変更せずに最後まで書ききることを優先しましょう。途中変更を一度でも認めると、その後も度々変更したくなり、話が迷走して結局完成させられないパターンに陥ってしまうことがあります。
――当記事が、あなたが小説を書くあげるヒントになれば幸いです。
(著:nanapiユーザー・こつこつ 編集:nanapi編集部 写真:torisan3500「book reading now」http://www.flickr.com/photos/torisan3500/3596582725/)