昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件で、静岡地方裁判所は、袴田巌死刑囚の再審=裁判のやり直しを請求している弁護団が求めていた犯行現場から見つかったとされる衣類のDNA鑑定を行うことになりました。
袴田事件は昭和41年、現在の静岡市清水区でみそ製造会社の専務の一家4人が殺害されたもので、この会社の従業員だった元プロボクサーの袴田巌死刑囚(75)が強盗殺人などの罪に問われ、昭和55年に死刑が確定しました。これに対して袴田死刑囚は、無実を訴え、弁護団は、現在2度目の再審請求を行っています。弁護団によりますと、犯行現場から見つかったとされる衣類などの証拠品のDNA鑑定について、静岡地方裁判所が23日付けで行うことを決めたということです。鑑定が行われるのは、犯人のものとされている血のついたシャツなど4点で、検察側は、これらの衣類は袴田死刑囚が着ていたものだとしていますが、弁護団は、警察がねつ造したものだと主張しています。平成11年と12年に行われたDNA鑑定ではDNAは検出されていませんが、弁護団は「最新の鑑定技術によって警察の証拠の偽造が明らかになれば、再審が認められると期待している」と話しています。