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民主代表選:主流派・非主流派とも情勢混とん

 菅直人首相は26日、正式に退陣を表明する。これを受け民主党は後継を決める代表選を27日告示・29日投開票の日程で実施することを決める。既に立候補を表明している前原誠司前外相(49)に続き、鹿野道彦農相(69)、野田佳彦財務相(54)、海江田万里経済産業相(62)も26日中に出馬を表明する見通し。菅政権を支えた主流派が前原、野田両氏の陣営に分かれる一方、小沢一郎元代表を中核とする非主流派は支持候補を明確にせず、情勢は混とんとしている。

 首相は26日午前の参院本会議で特例公債法案と再生可能エネルギー固定価格買い取り法案が成立するのを受け、同日午後の民主党両院議員総会で党代表の辞任を表明。同日夕、首相官邸で退陣の記者会見を行う。内閣総辞職は30日の予定。

 首相の退陣会見が翌日に迫っても、代表選の構図は定まらない。

 主流派の「本命」として名乗りを上げた前原氏は25日夜、東京都内のホテルで自身のグループ会合を開き、「政権与党の代表選は首相を決める選挙だから、気を引き締めてやっていきたい」と改めて決意を示した。ただ、グループ外にも参加を呼びかけたにもかかわらず、集まったのは38人。「挙党一致」を掲げて「脱小沢」色を打ち消そうとしたものの、支持の広がりを欠く印象を残した。

 ◇海江田経産相、26日辞表提出

 「脱原発」へ傾斜する首相と確執を深めた海江田氏は25日夜、陣営メンバーと対応を協議。所管する再生エネルギー法案が26日に成立した後に辞表を首相に提出し、代表選出馬を表明することを決めた。支援を期待する小沢元代表と鳩山由紀夫前首相から「ゴーサイン」が出ないままの見切り発車。鳩山氏には菅内閣の原発事故対応を担当してきた海江田氏への不満が強かったことから、海江田氏は出馬表明と同時に「脱原発依存」を明言する。

 小沢元代表は25日夕、鳩山氏と会談し「原点回帰か、継続かの戦いだ。原点回帰の勢力を結集できる環境をつくる」との認識で一致。09年衆院選マニフェストの見直しを進めた菅政権の主流派をけん制しつつ、だれを支持するかの判断は26日以降に先送りした。

 中間派からは鹿野氏のほかに馬淵澄夫前国土交通相(51)と樽床伸二元国対委員長(52)も出馬に意欲を示している。小沢鋭仁元環境相(57)は25日夕、元代表を訪ねた後、海江田氏との一本化について「もともとの支持層が重なっている仲間だから、ある意味ではやりやすい」と否定しなかった。【平田崇浩】

毎日新聞 2011年8月25日 21時37分(最終更新 8月26日 1時24分)

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