県内ニュース県内7戸で国の基準値超え 牛ふん堆肥の放射性物質検査
2011年08月25日 21:46
県は25日、県内畜産農家が製造した牛ふん堆肥の放射性物質検査で、汚染稲わらを牛に与えていた15農家のうち尾花沢市と鶴岡市の各1戸で国の暫定基準値(1キログラム当たり400ベクレル)を超す放射性セシウムを検出したと発表した。さらに35市町村でそれぞれ3農家を抽出してサンプルを調べた結果、村山市の2戸、尾花沢市の2戸、三川町の1戸から基準値を上回る値が出た。
これら計7戸の堆肥は、いずれも各自で保管されており流通していない。県は7戸に加え、村山、尾花沢、三川の3市町の農家が手掛けた牛ふん堆肥の出荷自粛を継続して求める。 牛ふん堆肥は主に肥沃(ひよく)な土壌を作るため、田畑に散布して使われる。検査は県が委託した理研分析センター(鶴岡市)で17〜23日にかけて実施。汚染稲わらを扱った15農家のうち尾花沢市の1戸から700ベクレル、鶴岡市の1戸から500ベクレルをそれぞれ検出した。残る13農家は不検出か基準値以下だった。 一方、35市町村で3農家ずつ抽出した105戸分の検査で、村山市の2戸から500ベクレルと600ベクレル、尾花沢市の2戸から1000ベクレルと2600ベクレル、三川町の1戸から1100ベクレルの値が出た。 今回の検査で基準値を下回った農家と、村山、尾花沢、三川の3市町を除く32市町村の農家による牛ふん堆肥の出荷は解除された。 県農林水産部によると、抽出農家のうち基準値を超えた5戸はいずれも宮城県産稲わらを牛に与えていた。稲わら自体の放射性物質検査は基準値を下回っていたが、牛の体内に取り込まれたセシウムが排せつ物として体外に出た結果、高い数値になったのではないかと分析している。出荷自粛の継続となった農家の牛ふんの保管、処分について、県は国の指針が明確になった段階で対応し、本県JAグループなどと協議し当面の支援策を検討する。 基準値を超えた7戸について、県は今回の検査後に製造した牛ふん堆肥を継続して調べ、基準値を下回った物に限り出荷を認める。 県は25日にも村山、尾花沢、三川の3市町の肥育農家全戸の検査を開始し、早ければ29日以降、基準値を下回った農家ごとに出荷自粛を解除する。
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