嵐の櫻井翔が宿泊したホテルの部屋の様子を実況されたり、なでしこジャパンの飲み会での発言が暴露されたり、ツイッターを震源とするトラブルが急増している。が、これは有名人だけに火の粉が降りかかることではない。
「有名大学の学生が『レイプは悪いことではない。女の方が悪い』とつぶやき、就職内定の取り消し騒動がありました。また、大手スポーツ用品メーカーの社員が契約選手を中傷するつぶやきをして同社が公式謝罪する騒ぎになったこともあります」(ITライター・海老原昭さん)
どれも常識的にみれば問題が起こりそうなつぶやきばかり。なのになぜつぶやく?
「理由は二つあります。ひとつは、ツイッターを利用している人は熟考せず反射的に書き込む傾向がある。それが、スピーディな情報伝達というツイッターの特徴を生み出しているのですが、反面どうしても口が滑りやすくなる。もうひとつは、優越感を味わいたいという心理。自分だけが知っている秘密――たとえば、アイドルが利用した部屋の様子を書き込めば、みんなが注目してくれるため、つい書き込んでしまう」(同志社女子大学・中島純一教授)
さらに火に油を注ぐ存在も。
「『燃やし屋』と呼ばれる愉快犯的なネットユーザーがいます。彼らは反社会的発言や、ネタになりそうな発言を四六時中探していて、見つけるや否やあちこちの掲示板に書き込んで問題を必要以上に大きくします」(ネットの危機管理専門企業(株)エルテスのコンサルタント・山本倫大さん)
では、トラブルに巻き込まれないための注意点は?
「ツイッター利用者は、たとえフォロワーが少なくても、発言が広範囲に広まると認識しておくこと。『ツイート』ボタンを押す前にもう一度内容を読み返すのも効果的です」(前出・中島教授)
「ツイッターは新しいメディアなので、利用する側の理解がまだ充分ではない。特に企業では『業務上知り得た情報はツイートもしないこと。軽い気持ちのつぶやきが大きな問題を引き起こす』ということを、社長や役員、アルバイトも含め全員に徹底させるべき」(前出・山本さん)
「駟(し)も舌に及ばず」ということをお忘れなく。 (岡崎博之)
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