直江文忠という起業家をご存知ですか。
サンクチュアリという葬儀会社を経営している人なのですが、彼はサンクチュアリの前に立ち上げた会社の資金集めをした際に、ある投資家に対して血判状を送ったのだそうです。
いざお会いするときに、細かい数字を出して完璧な事業計画書を作ろうかとも思いましたが、何千億円もの事業をしている人がそんな常識的なことでは動かないだろうと考えました。ならば情熱を見せようと、仲間4人で血判状を書いたんです。南部さんも驚いたようですが、事業計画書も見ず、ただひと言「応援してやる」と言っていただきました。これで人生が変わりました。
南部さんというのはパソナの南部靖之社長です。
直江さんはその後、初恋の女性の死とその葬儀で感じた葬儀業界の矛盾をきっかけにして、新しい葬儀会社「サンクチュアリ株式会社」を2003年に設立します。
通常、喪主として葬儀にかかわるのは30年に一度といわれています。つまり、一生のうちに葬儀を手がけるのは、多くて2、3回ですから、サービス内容は分かりません。そこでまず、費用を総額表示としました。さらに、葬儀のクレームで一番多いお布施の金額も統一したんです。この2つのサービスで業界を変えていこうと思いました。
これに対して葬儀業界からの反発、嫌がらせもあったそうで、あるとき葬儀業界のフォーラムに出席した直江さんは会場のすぐそばに「直江家葬儀式場」と書かれた看板を見つけます。
この嫌がらせにゾクッとしたのですが、一方で、たった1年程度の活動が業界からベンチマークされる存在になったとも感じました。「我為す事、我のみぞ知る」ということで、雑念には耳を貸さず、お客様の求めているものを提供することに専念しました。
2月13日に刊行された成功前夜 21の起業ストーリーという本に出ていた話です。
なんとまあ、すごい人がいるもんだなあ、と感嘆していたのですが、よく見てみると直江さんは1977年生まれ、私と同い年なんです。
今の自分が、やっと会社を立ち上げたくらいでほっとして、えらそうなことをほざいていたのが恥ずかしくてたまりません。
同世代の人たちがどんどん活躍の前線に出ているんだ。ぼやぼや鼻水たらしてる場合じゃないぞ。
J-WAVE(81.3FM) でショーンK がやっている「MAKE IT 21」でオンエアされたインタビューを書き起こしたものです。直江文忠さんの他にジャパネットたかたの高田明さん、バルチックカレーの吉野幸則さんら、21人の起業家のインタビューが収められています。