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2010.05.31

焙煎とホットケーキ作りの3つの共通点

ホットケーキを焦がさず、ふっくらと厚く焼き上げるためのコツと焙煎の関係を見るととても似通った共通点があったので考察してみます。

Hotcake2

1.しっかりと余熱する

ホットケーキの場合

いきなり焼き始めない。フライパンをしっかりと温める。生地の量にもよりますが、生地が投入されると一気にフライパンの熱が奪われて温度は低下します。一般的な焼き物の基本に焦がさず中味をふっくらと焼き上げる適温は160~170℃と言われていますから、生地の投入による温度低下から適温を保つためにはフライパン自体をある程度高温にしておくことで影響を最小限におさえることができます。これが出来ていないと生地を膨らませるベーキングパウダーの活性化が不足するという事に陥ってしまいます。

焙煎の場合

焙煎機も余熱を与えるために空焚きを十数分かけて行います。この余熱とはどういう意味を持っているでしょう。今回対象とするコーヒーの焙煎とホットケーキを焼くことに限定すると「材料の投入による温度低下を最小限に抑え、適温を維持できるだけの有り余る熱量」と考えられます。

2.温度による膨らみ方

ホットケーキの場合

ベーキングパウダーは温度170℃で活性化し多くの炭酸ガスを発生し、生地を持ち上げふっくらとしてくれる作用があります。温度が低すぎると炭酸ガスが発生せず薄くてどら焼きの生地のようになってしまいます。薄くなると全体に火の通りが早くなってしまい水分は大量に抜けて生地が固くなってしまうでしょう。逆に温度が高すぎると焦げやすいし、中は生焼けになりやすくなります。

焙煎の場合

焙煎の場合もある程度の温度を維持しながら進行していきます。温度を低目に進行させることも出来ますが、時間がかかった割りに味がよくありません。コーヒー豆自体も加熱により化学変化が起きて旨み、コク、香りへと活性化していくことになりますが温度が低いと活性化せずに焙煎を終了することになります。「じっくりと芯まできっちり焼く」のように焙煎の過程を表現される方もいますが、この通りに時間をかけてやったら良い結果は得られません。適切な温度で焙煎されると生豆は膨らみ、最終的に約1.5倍ほどのサイズに膨張しますが、低い場合は膨らみが小さくてとても固いものとなります。

3.連続して焼く場合

ホットケーキの場合

最初の余熱もしくは2枚目を連続して焼く場合にはフライパンは高熱になっています。おそらくそこへ生地を投入すると焦げができるほどの高温になっています。そこで濡れふきんでフライパンの表面を少し冷ますということをやります。フライパンの底は周りの温度に比べて高いですからフライパン自体の熱を均一にすることで生地への熱の伝わり方もムラがなくなるわけです。

焙煎の場合

焙煎の場合、特に少量を焙煎する場合に焙煎機が持つ熱エネルギーが焙煎回数が増えるたびに増加していきます。適温を超えた焙煎機に少量の生豆を投入すると釜自体の熱に比べて豆の熱が圧倒的に小さいですからあっというまに豆の温度が上昇してしまい表面が焦げてしまう場合もあります。焙煎機自体の熱はとても大きいものですからガス火力とともに行う熱のコントロールは焙煎の短い時間内ではとても難しくなります。そこで焙煎機自体を少し冷ますことでガス火力の調整とともに全体の熱をコントロールし易くします。

 

ホットケーキを焼いたことがある方は「うんうん。そういう風にやっている」と納得いただけたと思います。焙煎に興味のある方は「なるほどこんなところにも共通点があったのか」とご理解いただけたと思います。

私が「コーヒーローストは調理だ!!」と感じているのは「ホットケーキを焦がさず、ふっくらと厚く焼き上げるためのコツ」が焙煎の裏付けとして十分に適応できると判断したからです。もちろん今回取り上げた「熱」を解決すればコーヒーローストがうまく行くものではありませんが、熱のコントロールをいかに自在に操れるかが「美味しいコーヒーが作れるか」に直結しているように思います。

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