ここから本文エリア 飛島、縄文人も船で往来か 発掘土器に東北〜北陸の特徴2010年10月1日
酒田市・飛島の蕨山(わらびやま)遺跡でこのほど東北芸術工科大(山形市)が学術調査を行い、縄文中期(約4300年前)の土器や石器などを数多く発掘した。土器の種類は多様で、東北北部から北陸に及ぶ広範囲の特徴があり、縄文時代の日本海文化圏の交流を考える貴重な資料になりそうだ。 蕨山遺跡は島の南側の丘陵(標高約40メートル)にあり、その北側に縄文時代の葡萄(ぶどう)崎遺跡と船見沢遺跡が並ぶ。冬の北西風が避けられ、生活環境に優れた場所だったようだ。 調査は芸工大歴史遺産学科の福田正宏専任講師(環日本海先史考古学)や学生、大学院生ら約20人が参加し、9月8〜23日に実施。約20平方メートルを調べたところ、廃棄場とみられる跡から土器や石器などが多数出土した。 土器は、地元の東北南部の大木式を始め、秋田県男鹿半島など東北北部の円筒上層式、能登半島などの新崎式などで、広範囲の土器が同じ所から見つかったのが特徴だ。 福田講師は「土器の特徴から縄文人も対馬暖流に乗って船で行き来していたようだ。飛島は江戸時代の北前船でにぎわったが、はるか昔の縄文時代から人と物が移動し、停泊地になっていたのではないか」と話している。 調査では他に、漁網の重りにした石錘(せきすい)、狩猟に使った石鏃(せきぞく)、木の実などをすりつぶしたとみられる石皿なども出土しており、漁や狩猟をし、木の実などを食べていた当時の人々の様子が浮かんでくる。 芸工大は出土した土器などを復元して詳しく調べ、来年3月に報告書を出す予定だ。 蕨山遺跡については、県教委が1992年に行った発掘調査でも今回と同じような広範囲の特徴を持つ土器が出土している。91年の船見沢遺跡の調査では竪穴住居跡などが確認されている。
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