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2011年8月25日11時36分

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福島の小中学校、2学期スタート 避難先から戻る動きも

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写真:始業式前の教室でガラスバッジ型の線量計をながめる児童たち=25日午前8時5分、福島県伊達市、金子淳撮影拡大始業式前の教室でガラスバッジ型の線量計をながめる児童たち=25日午前8時5分、福島県伊達市、金子淳撮影

写真:始業式の朝、ガラスバッジ型の線量計をつけて登校する児童たち=25日午前7時34分、福島県伊達市、金子淳撮影拡大始業式の朝、ガラスバッジ型の線量計をつけて登校する児童たち=25日午前7時34分、福島県伊達市、金子淳撮影

 福島県の大半の小中学校で25日、2学期が始まった。東京電力福島第一原発の事故による放射能への不安から、県教委の調査では最大で約千人の児童・生徒が夏休み中に県外に転校したとみられる一方、学校の除染が進み、避難先から県内に戻る動きもある。

 伊達市では27の市立小中学校で一斉に始業式があった。そのうち24校は夏休み中に校庭の表土を除去した。校舎の外壁や排水溝などを洗浄した学校も多い。ほかの市町村より早く今月1日に児童、生徒に簡易型の積算線量計ガラスバッジが配られた。

 伊達小学校では、子どもたちが首からバッジを下げて登校した。6年生の田代龍成(りゅうせい)君(11)は「夏休みは5日間、長野のサマーキャンプに参加した。その時はバッジはつけなかったけど、これからつけるとなると歩くときとかにちょっと面倒」と話した。同校では土の除去の結果、校庭の放射線量が毎時1.00マイクロシーベルトから同0.12マイクロシーベルトに下がった。

 県教委によると、全59市町村のうち39市町村が除染用の高圧洗浄機などの購入費の補助を県に申請し、夏休み中に学校の除染が進んだ。線量計は、大半の市町村が2学期の初めに希望を調査したうえで、10月までに配る予定。

 郡山市教委は各校に、通学路の線量を測定して9月5日までに「線量マップ」を作るよう指示した。通学路の見直しや除染に役立てる。9月1日に始業式をする福島市も線量の高い通学路の変更を各校に求めた。

 県教委によると、震災以降、7月15日までに県内の小中学生の4%にあたる7672人の小中学生が県外に転校。さらに1081人が夏休み中の県外への転校を希望していた。

 一方で、いわき市教委によると、市内の学校に通う市外の児童、生徒は、1学期終了時と比べ208人増えた。その多くは原発周辺の町村から関東など他県に避難していて、地元に近い同市に引っ越してきた子どもたちという。同じ傾向は郡山市でもみられる。

 大部分が避難区域になっている南相馬市でも、市教委の概算では夏休み前に1410人だった小学生が1542人、940人だった中学生が1047人に増えた。震災前の4051人、1962人にはほど遠いが、市教委は「緊急時避難準備区域の解除や除染が進めば、さらに大勢帰ってくるはず」と期待する。(渡辺康人、川口敦子)

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