去年、経営破綻した「日本振興銀行」の元役員らが、商工ローン大手の「SFCG」から回収の見込みの低い多額の債権を買い取り銀行に損害を与えたとして、整理回収機構が、50億円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こされたのは、去年9月に経営が破綻した「日本振興銀行」の木村剛元会長(49)ら元役員7人です。訴えによりますと、木村元会長らは、平成20年の10月と11月、商工ローン大手の「SFCG」から回収の見込みの低い債権を買い取り、銀行に合わせておよそ150億円の損害を与えたとして、このうち50億円の損害賠償を求められています。整理回収機構によりますと、買い取った債権は、銀行から借り入れができない商工ローンの債務者に対するもので、債務不履行になるリスクが高かったということです。「SFCG」は、おととし4月に破産手続きの開始決定を受けており、整理回収機構では、7人が当時「SFCG」の資金繰りが苦しくなっていたことを極めて容易に認識できたのに、注意を怠ったとしています。整理回収機構側は、23日、記者会見を開き、「金融機関の役員として、当時『SFCG』が危険だと知らなかったでは済まされない。なぜそうなったのか、裁判の過程で明らかにしたい」としています。一方、整理回収機構は、去年5月から11月にかけて、木村元会長が、近親者の所有する日本振興銀行の株を買い取って1億6000万円余りを支払うなどし、銀行に損害を与えたとして、木村元会長に対し支払いを求める訴えも東京地方裁判所に起こしました。