国際宇宙ステーションに設置されている日本の実験棟「きぼう」の観測装置が、地球から39億光年離れたブラックホールに星が吸い込まれる瞬間を、世界で初めて観測し、研究チームは、謎の多いブラックホールのメカニズムの解明につなげたいとしています。
国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」には、さまざまな天体から出されるエックス線を観測する装置が搭載されていて、ことし3月28日、地球から39億光年離れた銀河の中心にあるふだんは暗い天体から強いエックス線が出ている画像の撮影に成功しました。同じ現象はNASAの観測衛星でも捉えられ、双方の観測結果を日本とNASAの研究チームが共同で解析した結果、この強いエックス線の画像はブラックホールに星が吸い込まれた瞬間を捉えたものであることが分かりました。ブラックホールは太陽の100万倍以上の重さがあるため、重力が大きく、近くに来た星を吸い込んでしまうとされています。研究チームによりますと、30億光年という遠く離れた銀河のエックス線を観測できたのは、星が吸い込まれた瞬間にブラックホールから「ジェット」と呼ばれる物質が激しい勢いで噴出しているためだということです。ブラックホールに星が吸い込まれる瞬間を観測したのは世界で初めてだということで、研究チームは、謎の多いブラックホールのメカニズムの解明につなげたいとしています。