ライフ【正論】拓殖大学客員教授・藤岡信勝 尖閣の地に勇気ある教科書改革+(1/3ページ)(2011.8.25 03:15

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【正論】
拓殖大学客員教授・藤岡信勝 尖閣の地に勇気ある教科書改革

2011.8.25 03:15 (1/3ページ)

 沖縄県石垣市。エメラルドグリーンの美しい海に囲まれた日本最南端の観光・文化都市である。市は尖閣諸島を管轄しており、昨秋の中国「漁船」衝突事件で一躍、有名になった。その石垣市が今、教科書採択問題で揺れている。

 ≪「保守」市政の誕生が発端≫

 4期16年も続いた「革新」市長が昨春の選挙で敗れ、「保守」市政が誕生したのがことの発端だった。中山義隆新市長は、現職の高校校長の玉津博克氏を教育長に任命し、その玉津教育長が教科書採択手続きの改革に手を着けた。

 教科書の採択は教育委員会の権限だが、法律は複数教委にまたがる共同採択地区の設定を認めており、各教委の代表から成る「採択協議会」を設置し、そこで1種類の教科書を選ぶとされている。

 沖縄県は6つの共同採択地区に分かれている。その一つ、八重山採択地区を構成する自治体は石垣市(4万9千人)、竹富町(4000人)、与那国町(1600人)の1市2町である。人口では石垣市が9割を占めているが、協議会委員は3つの自治体から同数の委員が選ばれる。悪平等である。

 3市町を、首長の政治姿勢で色分けすると、石垣市と与那国町は保守、竹富町は革新である。石垣市の玉津教育長は、八重山地区採択協議会の会長でもある。玉津会長は、2つの改革を推進した。

 第一は採択協議会の委員構成の変更。従来の委員は3市町の教育長(3人)、担当課長(3人)、事務局より担当職員(1人)、会長の属す事務局から補助職員(1人)、保護者代表(1人)の計9人だった。協議会の委員は、教科書採択について教育委員と同等の決定権を持つ。その委員に担当課長や担当職員、補助職員まで入れていたとは驚きを禁じ得ない。

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