中村県政の誕生からまもなく9か月。
「脱政党」の動きを強める中村知事のもと、権力構造が変化を見せています。
様変わりしつつある自民党の知事陳情を取材しました。
きょう松山市内で開かれた自民党県連の知事陳情。
この知事陳情は、自民党県連が市や町の予算要望を知事に取り次ぐかたちで毎年、開かれていて、自民党にとっては県議会最大会派として県政とのパイプをアピールする場ともなっていました。
しかし、自民党に軸足を置いていた加戸前知事と違って、中村知事は市や町のトップとの直接対話を重視していて、自民党が陳情を仲介することに冷ややかな反応です。
「自民党さんという政党からの話なんですよね。
今までもやられていた県政最大与党ということで「ああそうですか」という話ですが・・・」(中村知事)。
さらに、中村知事は「自民党市議団が自民党を名乗るに値すると私は思っていない。
松山市議会の自民党市議団が同席するなら陳情は受けない」と宣言。
今回、松山市議の出席は認められないまま、知事陳情が行われました。
松山市議会の自民党議員団は、市の裏金疑惑を追及するなど中村氏が後継指名した野志市長への批判を強めていて、市議団の川本光明会長は報復措置だと反発しています。
「ちょっと子供じみている。
好き嫌いで政治をやっていたのでは好きだから嫌いだから自分の考えと違うからそんなことで判断するなら政治家失格」(川本市議)。
様変わりしつつある知事陳情。
自民党県連の清家俊蔵幹事長は「これまでは建設土木関係の陳情が中心だったが、これからは幅広く政策を議論したい」とその意義を強調しています。
しかし、「脱政党」の動きを強める中村知事のもと、これまでの権力構造は変化を見せていて、県の政策決定のプロセスにも影響しそうです。