ソ連では91年の崩壊後も数年間にわたるハイパーインフレが起き、98年にはルーブルが暴落するなど経済混乱が続いた。ハスブラトフ氏は同様の事態が起きていたブラジルに飛び、懸命に対応策を学んだという。
2000年代に入り、石油・天然ガス価格の高止まりという追い風もあって、ロシアは順調な経済成長を遂げる。マクドナルドの国内利用者は延べ1億人を超え、2割にすぎなかった国内の食材調達率は8割まで伸び、同社は昨年、加工工場を売却した。
ハスブラトフ氏は「中小企業がロシアに進出しようと思えば今でも4、5年はかかる。会社設立には約200件の承認と署名が必要だ」とし、大きな投資を引きつけるには、(1)官僚主義と賄賂の撲滅(2)経済の多様化とさらなる開放、透明性の確保(3)巨大企業による寡占状態の解消-などが不可欠だ、との見方を示した。