玄海原発:再開へ政府が説明会…参加者限定に批判も

2011年6月26日 21時20分 更新:6月26日 21時24分

ケーブルテレビ局の敷地内になだれ込んだ抗議集会の参加者と話をする経済産業省原子力発電立地対策・広報室長の杉本孝信氏(手前)=佐賀市で2011年6月26日午前11時36分、山下恭二撮影
ケーブルテレビ局の敷地内になだれ込んだ抗議集会の参加者と話をする経済産業省原子力発電立地対策・広報室長の杉本孝信氏(手前)=佐賀市で2011年6月26日午前11時36分、山下恭二撮影

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開問題で、経済産業省は26日、同原発の安全対策などについて住民説明会を開いた。福島第1原発事故後、政府が原発立地自治体で住民説明会を開くのは初めて。経産省側は緊急津波対策など安全性を強調し、運転再開に理解を求めた。だが説明会後、会見した参加住民は「不安が残った」などと述べ、納得していなかった。

 説明会は佐賀市のケーブルテレビ局で約1時間半にわたってあり、20~60代の男女7人が県民代表として参加。「説明番組」と称して県内のケーブルテレビとインターネットで生放送された。

 経産省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は、原発事故後の緊急津波対策や老朽化が指摘されている玄海1号機の安全性を説明し、「玄海原発周辺は大きな地震や津波の可能性は高くない」と強調した。参加者からは「未知の活断層はないのか」などの質問が相次いだほか、「玄海原発の運転再開は福島事故の検証が終わってからでもいいのでは」などの疑問も出た。

 説明会を巡っては、経産省が地元広告代理店に委託して選んだ県民7人に参加者を限定し、一方的に放送する「番組」になったことから、「国の宣伝」との批判が相次いだ。【竹花周】

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