東日本大震災:高田松原の松…京都の送り火の薪に

2011年6月26日 19時54分 更新:6月26日 19時57分

高田松原の松で作られた薪。被災者からさまざまなメッセージが寄せられた=岩手県陸前高田市で2011年6月26日午後4時1分、小川昌宏撮影
高田松原の松で作られた薪。被災者からさまざまなメッセージが寄せられた=岩手県陸前高田市で2011年6月26日午後4時1分、小川昌宏撮影

 東日本大震災の津波で流出した岩手県陸前高田市の高田松原の松を、先祖の精霊を送る京都の「五山送り火」(8月16日)の薪(まき)にする計画が進められている。遺族らにメッセージを書き込んでもらい、五山送り火のうち、京都市左京区の「大」で使用する予定だ。

 ◇遺族らメッセージ添え

 国の名勝・高田松原は、砂浜にあった数万本の松が津波で流された。大分市の美術家、藤原了児さん(61)が薪として使って「追悼の気持ちに協力したい」と発案、大文字保存会に利用を求めた。保存会の松原公太郎理事長は「震災で亡くなった方のために使うのは本来の目的にかなっている」と理解を示す。

 藤原さんは、市の許可を得て松を回収している福井県坂井市のNPOから一部を譲り受け、長さ50センチの薪200本に仕立てた。避難所などに置いており、7月末までメッセージを受け付けている。

 母キミヨさん(95)を亡くした陸前高田市の貝山隆三さん(63)は「津波で死なせてゴメン。涙が出ます」と書いた。キミヨさんを抱きかかえて避難していたところを津波に襲われ、気付くと服しか残っていなかった。貝山さんは「せめてもの弔いの気持ちを込めました」と話した。【熊谷豪】

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