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政府は人口の多い福島市・郡山市などを避難させないのか?考察してみた。


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この記事の所要時間: 63

土壌汚染マップ等で酷いレベルの汚染がわかった原発80Km圏内。

twitterをはじめ、ネット上では「何でもっと広範囲に避難指示がでないのか?」と疑問の声が多数上がっている。

以下、twitterのコメント

twitterコメント

twitterコメント

多くの人が

「放射能濃度が高い福島市、郡山市民を避難させない理由はただ一つだと思う!賠償金で東京電力及び日本が破綻するからであろう。」

という文面をみて、その通りだろうと思った事だろう。

わたしもそのように感じます。

そこで、80km圏内の人を避難させるとどのくらいの補償金額になるのか、

実際に計算してみる事にしました。

(考察の目的)
政府が資金的に避難をさせられるかを考察してみる。

(考察内容)
避難地域を福島県「中通り」「浜通り」に設定。

統計から、避難者の収入補償の金額を割り出してみる。

※80Kmは同心円状に設定されていて正確な数値を出すのは難しいので中通り・浜通りというくくりで想定しました。

さて、考察に入ります。

まず、福島県の人口を調べました。

福島県人口

福島県の推計人口(引用:福島県ホームページより)

人口「202万5千人」

世帯数「72万1千人」です。

平均世帯人数は「2.8名」と計算する事ができます。

福島の人口地区別

福島の人口地区別(引用:福島県ホームページより)

福島県のホームページ上に、地区別の人口が表示されていたので会津地区の人口を県の人口から除外してみます。

県総人口:2,025、461人

—-会津地方の人口———
会津若松市:128,591人
耶麻郡:31,123人
喜多方市:54,142人
河沼郡:25,208人
大沼郡:29,759人
南会津郡:31,236人
———————————————-
会津地区人口合計:300,059人

中通りと浜通りの人口は

「県総人口-会津地区人口」で求まりますから

2,025、461人-300,059人=1,725,402人
となります。

県の85%が含まれてしまうのです。

中通り、浜通りの世帯数を算出すると、

1,725,402人÷2.8人(1世帯あたり平均人数)=616,215世帯

約60万世帯が避難対象となります。

さて、収入の補償を計算してみましょう。

1人当たり県民所得ランキング2008年度

1人当たり県民所得ランキング2008年度(引用:社会実情データ図録より)

上記のグラフから数値を持ってくると

福島県の1名あたりの年間収入は「274万円」です。

1世帯あたりで計算すると、267万円×2.8人=767万円

さて避難する世帯が約60万世帯ですから

767万円×60万世帯=4.6兆円(年間)

となってしまいます。

※細かい数値の算出が論点ではないので、所得税などの計算は省きます。

1世帯あたり家や土地など平均1,000万円の資産があると仮定して

その補償で6兆円。

その他、企業への補償もしなければなりません。

そのうえ、福島県の経済がほぼストップするので国はその分の税収が無くなります。

その他、福島県の中通りを避難区域にしてしまうと、そこから北にある東北にある県にアクセスするのが大変になります。

日本海経由でアクセスするしかなくなります。東北地区の経済・観光は大打撃。

経済が立ち行かなくなるのは目に見えています。

一方、避難させないで放射線の影響で癌になった人が5%発生したと仮定します。

172万人×5%=86,000人

1名あたり、3,000万円の補償と仮定。

「約2.6兆円」

東京電力の営業利益は3年間の平均を取ると

「年間1625億円」

20年で3.2兆円。

やはり現在設定されている避難区域
(原発20Km圏内+計画的避難区域)

程度しか、経済的な負担は無理そうです。。。

わたくし(もにぽ)は経済の専門家でも統計の専門家でもありません。
素人の目線で補償金額を考えてみました。

ブログをご覧になっている皆様が補償について考える時の
たたき台になればよいと思いこの記事を書いてみました。

1.広範囲に避難させれば国家が経済的に破綻

2.避難させないと病人が多数発生する可能性

どちらを選択してもダメージは計り知れません。

こうやって考えると

原発事故のリスクは高すぎます。

事故が起こってしまうと、

酷い選択肢を突きつけられることがわかります。

「広範囲避難を指示」「現在の避難指示以上範囲を広げない」

この2つの選択肢の経済的ダメージが近い数値で、

なおかつ、国が耐えられるのであれば広範囲避難は有り得ますが、

数値を見る限り、残念ながら広範囲避難は国が資金的に耐えられそうにありません。

しかしながら、国がやるべきこと、できる事はたくさんあるはずです。

「校庭の土の入れ替え」などまさしくそれです。

地方自治体が独自に動いているなんて有り得ないですよね。

こんなの、文部科学省の仕事です。

その他にも被曝量を減らす努力は、たくさんあるはずです。

その動きがあまり見られないのには憤りを感じます。

みなさんはどう思いますか?


【追記】
twitterで「問題は「避難させられないから安全にしなくては」と安全基準の方を変えてしまうこと。」という意見がありました。まさしく、その通りです。

いま、基準値をあげてしまって、基準値内だから安全だという形になっています。

それでは、基準値の意味がありません。

基準値を超えたのならば、何とか基準値以下にするように。

それを必死で考えるべきだと思います。

今も継続して放射線を浴び続けているのですから。

「避難もさせる事ができない」

「浴びる線量を下げるための必死の努力も無い」

これでは酷すぎます。

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政府は人口の多い福島市・郡山市などを避難させないのか?考察してみた。 への2件のコメント

  1. でじこむ より:

    実際、チェルノブイリがソ連崩壊の一因だと言われてますね。
    国が補償すべきだと言う気持ちは分かるけど、無理だと言う事ですね。
    日本を潰してしまっては福島も成り立たない。
    そもそも国の補償とは国税。収入・資産の補償は無理でしょうね。
    雇用体系の崩壊・不景気で、アパート暮らしでパートを掛け持ちな貧しい人からも容赦なくふんだくる税金です。彼らに資産家の資産を補償しなければならない理由など無い。
    原発は人災だけど、放射能は見えない津波。逃げるしかないと思います。
    要は、如何に確率が低くとも事故になれば国が傾くほどの原発に
    エネルギー如きを頼るのが間違いだという事。まして日本は地震国。

      

  2. しゅう より:

    現実的な考察なのでしょうけど、
    人の命をお金に換算するような感じがして、もし政府がこういう理由で避難をさせないのだとしたらとても悲しいです。

    先に試算をすることがそもそもおかしい。
    緊急時なのだから、まずは各県に避難先を確保してもらい、民間などから誠意の援助をお願いすれば思ったよりお金はかからないかもしれない。日本中に賃貸の空き家は腐るほどあるというのに。

    財政が厳しいこともしっかり打ち明け、それでも人命優先、避難をまず実行させるというリーダーシップ・政治力があったらできるはず。

    未来的に何万・何十万と犠牲になるとしたら、お金に変えられない歴史の悲劇となってしまいます。

    お金を崇拝し過ぎる癖、そろそろ卒業しましょう、日本人は。

      

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