小学校 5か月余遅れて卒業式
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小学校 5か月余遅れて卒業式

8月21日 18時39分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた、宮城県南三陸町の小学校で、5か月以上延期されていた卒業式が、21日に行われ、卒業生たちは、津波で水没した学校から避難した際に、みんなで口ずさみ励まし合った、思い出の歌を合唱しました。

南三陸町の戸倉小学校は、ことし3月11日、津波で校舎の屋上まで水につかりました。当時、学校にいた91人の子どもたちは、近くの高台に避難して一晩を過ごし、その際、1週間後の卒業式で歌うため練習していた、「旅立ちの日に・・・」という、歌手の川嶋あいさんの歌を口ずさんで心の支えとし、励まし合って、恐怖と寒さに耐えたということです。以来、卒業式は延期されていましたが、5か月以上たった21日、小学校の移転先である隣の登米市で卒業式が行われ、麻生川敦校長が、津波で汚れてしまった卒業証書を改めて乾燥させて、卒業生23人、一人一人へ手渡しました。麻生川校長は「教室は見る影もなく、何もかも失った気持ちですが、卒業生の皆さんが、震災の中でも大きく成長したことを感じています。6年間の喜びや感動は心の中に刻まれています。つらいときは、千年に一度の津波に耐え抜いた、この卒業証書を見て、自分の力を思い出してほしい」と励ましました。そして卒業生たちは、ゲストとして式に招かれた川嶋あいさんの前で、思い出の歌を合唱しました。卒業生の須藤未帆さんは「久しぶりにみんなに会えてよかった。ボランティアの皆さんが支援してくれたように、人の役に立てるようになりたい」と話していました。渡邊凌介さんは、「震災も復興もあったこの5か月は、大切だったと思います。やっと卒業できて、これから中学生として頑張りたい」と話していました。