TATSUYA@PARADISO

オリンピックについて、少し正面から
大真面目に考えてみたい。


キム・ヨナが史上最高得点で金メダルを獲得した。
彼女の持てる力をほぼ１００％出し、尚且つ
憎たらしいまでの強気の姿勢で臨んだ彼女の
執念は残念ながら、誰を寄せ付けなかった。
ただ、ヨナ選手だけでなない、他種目での
韓国の大躍進ぶりはすさまじい。

前回のＷＢＣで見た、勝利した韓国チームが
マウンドに自国の国旗を立てて喜び合う光景。
日本人の感覚からすれば、気持ちを察することは
できても、日本人の国民性にない行為であり、
少なからず違和感を感じた人は多かったと思う。
ただ、そんな強烈なまでに自分たちのアイデンティティを
持つ国民性。半ば”国策”に近い形での国をあげての
サポート体制という現実を見れば、
国の事情は当然違うことを承知で乱暴な言い方をするならば、
日本は一生懸命やっている”つもり”なだけなのかもしれない。
それだけ異なる強化体制にも関わらず、
国をあげて出場しなければならないオリンピックには、
当然ハンデというルールは存在しない。
国ごとに”アイデンティティ・ハンデ”とかあったら
面白かったりして･･･（笑）。
冗談はさておき、
それならば、選手たちや指導者の責任にするのは
あまりに酷じゃないだろうか。
このまぎれもない現実を、日本の国全体がどう捉えるか。

ショートトラックはかつて日本無敵の”お家芸”と言われた。
自分と同世代の選手たちは、ほとんどが世界のメダリスト達だった。
それが、今では韓国、中国のほか、アメリカやイタリアにまで
その座を奪われてしまった。
事実、日本チームのコーチには韓国人を招聘している。
冬季に限らず、夏季の五輪種目でも同じことが言えるのは
２年前の北京の結果を見ても明らかだろう。
夏冬双方のオリンピックで、ここまではっきりと
その結果が出てしまった現実は、
そろそろ日本全体が、骨身に染みて感じ、
資金的にも、インフラ的にも抜本的な改革が
必要な時期に来てるんじゃないかと思う。


オリンピックで国民が盛り上がるのは結構なこと。
ただ、毎回毎回、それで終わっていては何も変わらない。
総理大臣が出てきて、選手たちを励まそうが、称えようが、
残念ながらそこから次代の選手が育つことはない。

今のままならば、これから何年経っても
ひたすら”１００年に一度の逸材”の出現を待つしか
なくなってしまう。