吉本興業所属のタレント島田紳助が、23日夜10時から開かれた緊急記者会見で芸能界引退を発表した。大物タレントとして芸能界で一目置かれる存在なだけに、今回の突然の引退発表は実に衝撃的である。
島田の華やかな芸能人生に終止符を打ったのは、これまでネット上などでも噂されていた「ヤクザとの交際」だった。
平成17年6月ごろから2年間にわたり、暴力団関係者との間に一定の親密さを伺わせる携帯メールのやり取りを行っていたことが判明。社会的影響力の高いテレビなどのメディアに出演しているタレントとしては、違法行為はなくとも理由を問わず許されないものと吉本は判断した。
メイン司会者として出演していることを鑑み、厳しい態度で臨むべきとしている。同社は反社会的勢力との関係を断ち切る取り組みを一層強化していくという。
会見中の島田の姿は、かつて発覚した暴力事件で謝罪会見する姿を思い起こさせた。
「今日をもって芸能界を引退することにしました。捨てるものも特にない。正直に話す」と一部始終を話し始める。
暴力団との関わりについて島田は、「暴力団の人物に芸能活動などで悩んでいたときに相談にのってもらっていた」という。
だが、島田の芸能活動のためにも会わない方が良いと、その人物にいわれたそうだ。「会ったのは10数年の間で4~5回で、最後に会ったのは今から4年半ほど前。あのとき元気をもらったので、乗り越えられた」と事実関係を話した。島田は、「彼を人として感謝している」という。
先週日曜の24時間テレビの終了のあと、吉本興業に呼ばれ事実関係を聞かれたそうだ。島田は、そういう業界の人と付き合うのがいけないというルールがあったのは知らなかったと話す。
また、「週刊誌には(暴力団関係者と)頻繁に食事を摂っていたと書かれていたが、そんなことはまったくない」と述べ、「後輩には二度と僕のような甘い考えでいないようにして欲しい」「この程度で引退しなくてはいけないんです。だから皆さん注意して2度とこのようなことがないように」とアドバイスする様子は、実に島田らしい。
集まった報道陣からは、「納得しているのか」「なぜ、いまになって?」「後悔は?」など質問が飛び交った。
親しい芸能人らからも励ましのメールや、辞めないで欲しいという声があったという。ダウンタウン松本からも「辞めないでください」とメールがあったそうだ。島田が漫才を辞めたきっかけになったのは、松本だった。
しかし島田は、「ルールはルールですから」「僕が辞めないと示しがつかない」「まったく後悔はしていない」「自分が決めた道を歩いていきたいと思う」「 明日から一般人として静かに暮らさせてください」「多くの方に出会えて幸せです」と締めくくった。
なぜ、4年前のメールが今になって吉本から提示されたかは島田自身もわからないという。
突然の芸能界引退となってしまったが、今後、彼がメイン司会を担当していた番組はどうなるのだろうか。彼の引退は、あらゆる場面で大きな影響を出しそうだ。
(文=ricaco)
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