宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、地球規模での土壌中の水の分布や海水の温度変化、降水量などを調べる水循環変動観測衛星「GCOM-W」の概要を発表した。観測データから、気候の変動や干ばつなどの状況も分かるという。衛星の寿命は約5年。1基目を来年2~3月に打ち上げ、計3基で15年間程度の長期観測を目指す。得られたデータは農業や水資源管理などに役立ててもらうため、世界中に提供していくという。
水はマイクロ波という微弱な電磁波を出しており、衛星に搭載されたマイクロ波の計測装置で、水の分布を宇宙から観測できる。蒸気や液体、氷など、水の状態によってマイクロ波の周波数が変わるため、水がどんな状態で分布しているかも把握できる。積雪や海氷の厚さも観測できる。2日間で地球上のほぼすべての場所の観測が可能だ。【野田武】
毎日新聞 2011年8月23日 20時10分(最終更新 8月23日 21時33分)