今月5日、アメリカ国債の格付けを初めて引き下げた、大手格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズのデブン・シャーマ社長が辞任することになり、格下げによって市場の混乱を招いたとする、経済界からの批判をかわすためではないかという憶測を呼んでいます。
これは、スタンダード・アンド・プアーズの親会社でアメリカの出版大手、マグロウヒルが、22日発表しました。デブン・シャーマ社長は来月12日付けで辞任します。スタンダード・アンド・プアーズは、アメリカ政府の財政再建に向けた取り組みが不十分だとして、今月5日、大手格付け会社として初めてアメリカ国債の格下げに踏み切りましたが、格下げの根拠となったデータの計算に誤りがあったなどとして、アメリカの政府や議会から強い反発を受けました。さらに、格下げ後に世界の株式市場が乱高下するなど、金融市場に動揺が広がったことから、経済界などからも批判の声が高まっていました。スタンダード・アンド・プアーズは、今回の社長の辞任とアメリカ国債の格下げとの関係については明らかにしていませんが、この時期の突然の辞任の発表に対して、市場関係者の間で、政府や経済界からの批判をかわすためではないかという憶測を呼んでいます。