南シナ海の島々の領有権を巡って中国との対立が続くフィリピンは、海軍力を強化するため、アメリカから中古の大型艦艇を購入し、23日、この艦艇がマニラに到着しました。
フィリピンは、南沙諸島などの領有権を巡って中国との対立が続く南シナ海での軍事力の強化を目指しています。しかし、太平洋戦争時にアメリカ軍が使用していた艦艇を今もフィリピン海軍が使い続けるなど、装備の近代化が大きな課題となっています。フィリピン軍は今回、アメリカが同盟国を支援する制度を利用し、1300万ドル(日本円でおよそ10億円)で、アメリカの沿岸警備隊が使用していた艦艇を購入し、23日、この船がマニラ港に到着しました。到着したのは、1965年に建造された全長115メートルのフリゲート艦で、フィリピン海軍が保有する最大の艦艇になります。この船は、甲板でヘリコプターが発着できるほか、航続距離が長く、悪天候でも作戦を行えるのが特徴です。このフリゲート艦は、今後、南シナ海に配備されることになっており、艦艇の到着を祝う式典に出席したアキノ大統領は「この艦艇の配備によって、排他的経済水域などでの軍の哨戒活動を向上させることができる」と述べ、領有権を巡って中国との対立が続く南シナ海で、引き続き軍事力の強化に力を入れていく考えを示しました。