コメ:50年後の品質、高温障害で劇的に劣化

2011年6月24日 19時44分 更新:6月24日 22時28分

 地球温暖化で二酸化炭素(CO2)濃度が1.5倍になると想定される50年後には、コメの高温障害が進み、品質が劇的に劣化することが、農業環境技術研究所(茨城県つくば市)の実験で分かった。25日に東京大で開かれる日本作物学会で発表する。

 50年後のCO2濃度は現在より200ppm(1ppmは100万分の1)高い584ppmになると想定されている。研究チームは、この条件下でコシヒカリを栽培した。隣接する通常の水田(対照区)と収量や、品質の指標となる整粒率(透明度が高く、形が整った米粒の比率)を調べた。

 その結果、10アール当たりの収量は対照区の550キロに対し640キロと16%増えたが、整粒率は対照区の44%に対し27%と17ポイント下がることが分かった。

 CO2濃度の上昇で光合成が活発化し収量は増える一方、栄養分の窒素が不足し、たんぱく質の含有率が低下して整粒率が落ちたとみられる。整粒率が低下すると、コメの等級が下がる。

 同研究所の長谷川利拡(としひろ)上席研究員は「CO2濃度が高い条件に応じた肥料のやり方を工夫することが必要だ」と話す。

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報