2011年6月24日 11時18分 更新:6月24日 11時40分
東京電力は24日、福島第1原発の高濃度汚染水処理システムで、同日から淡水化処理を始めたと発表した。油分離装置、米キュリオン社のセシウム吸着装置、仏アレバ社の除染装置に続くシステム最後尾を担う過程で、処理後の水は、汚染水を原子炉の冷却水として再利用する「循環注水冷却」に使用される。
高濃度汚染水の処理は17日に開始。5時間後のトラブルで中断したが、その後も試験運転を断続的に続け、淡水化前の水計約3000立方メートルが貯水タンクにためられている。
汚染水には海水が混ざっており、原子炉に戻す際に塩分の除去が必要になる。淡水化装置は逆浸透膜を利用してろ過する仕組みで、すでに比較的低濃度の汚染水で動作を確認している。
また東電は、千葉工業大などが開発した緊急災害対応ロボット「クインス」が24日から2号機の原子炉建屋で作業を開始すると発表した。国産ロボットが建屋内の作業に投入されるのは初めてで、建屋地下の汚染水の水位計を設置する。付近では毎時430ミリシーベルトの放射線量が確認されており、作業員の被ばく低減のためにロボットの使用を決めた。【関雄輔】