記事入力 : 2011/08/23 11:05:52
高齢者の自殺率・貧困率、OECD加盟国で1位(上)
ソウル市冠岳区のAさん(74)=女性=は、1カ月30万ウォン(2万円)ほどの政府補助金をもらい、地下にあるワンルームで暮らしている。娘(49)が一人いるが、今は傷つけ合うだけの関係になってしまった。一時は家を2棟所有していたが、娘の夫が事業に失敗し、銀行や貸金業者に没収された。わずかに残った財産さえも、娘と婿のいびりに勝てず、全て渡してしまった。かわいがっていた孫(22)が軍に入隊すると、Aさんは深刻なうつ病を患い、ついには自殺を図るに至った。
「高齢者を敬う国」だった韓国が、今や高齢者の最も暮らしにくい国になろうとしている。高齢者の暮らしに関する指標は、主要国のうち最も悪い。高齢者の2人に1人が貧困状態に陥っており、高齢者3‐5人に1人は子どもや周囲の人々による虐待に苦しんでいる。75歳以上の高齢者10万人のうち160人が、こうした状況に絶望して自ら命を絶っている。
保健福祉部(省に相当)が22日に主催した高齢者政策に関する討論会で、専門家らは「高齢者問題はデパート式の福祉政策や予算増額で簡単に解決できる問題ではない」とし、高齢者に対する社会の意識を変えていくなどの戦略的アプローチが求められると指摘した。
老後の備えがないまま老年期を迎えた韓国の高齢者は、貧困状態に陥りやすい。韓国の高齢者貧困率(高齢者全体のうち中位所得未満に属する人の割合)は45%で、経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国のうち最も高い。日本(22%)、ギリシャ(23%)、米国(24%)の2倍に達し、貧困率2位のアイルランド(31%)と比べても14ポイント高い。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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