記事入力 : 2011/08/23 11:06:01
高齢者の自殺率・貧困率、OECD加盟国で1位(下)
経済成長と民主化を成し遂げた世代として尊敬されるどころか、軽んじられ、虐待を受けるケースも急増している。保健福祉部によると、高齢者虐待の申告件数は2005年が2038件、10年が3068件と、5年間で50%以上増えた。虐待の相談件数はこれよりはるかに多く、05年の1万3836件から10年には4万7988件と3.5倍に増えた。
高齢者虐待は、身体への暴力、言葉の暴力、扶養の放棄、遺棄などさまざまな形態がある。韓国保健社会研究院の関係者は「国家人権委員会の調査では高齢者の37.8%が、今年初めの研究では19.7%が虐待を受けているとの結果が出た。これらの数値は米国・カナダ・英国(5‐10%)を上回っている」と説明した。
精神的・物理的に限界に追い込まれた韓国の75歳以上高齢者の自殺率(10万人当たりの自殺者数)は160.4人と、OECD平均の8倍を超える。65‐74歳の自殺率も81.8人と、OECD加盟国中1位となっている。統計庁の関係者は、韓国の自殺率が24.7人で世界最高となっているのも、高齢者の自殺が多いためだと話している。
専門家らは「1930‐50年に生まれた今の高齢者世代は、子どもからも国からも、きちんとした待遇を受けられずにいる」と指摘する。昔からの孝行の概念は崩れた一方、高齢者のための社会的セーフティーネットは十分に備わっていないというわけだ。
チョン・チョルファン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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