ソーシャルメディア上でやりとりするメッセージについて、ほぼ2人に1人が面識ある相手から受け取った場合、記載のリンクをためらいなくクリックしている。Webに関するセキュリティ意識は多くの利用者が持っているものの、関係の深い人物からの連絡には警戒心が大きく低下する傾向がある。こんな調査結果をトレンドマイクロがまとめた。
調査は2011年6月28ー30日にインターネット上で実施し、618人から回答を得た。ミニブログ「Twitter(ツイッター)」、SNS「mixi(ミクシィ)」「Facebook(フェイスブック)」などソーシャルメディアの利用中に受け取るメッセージについて尋ねており、各サービスの利用率を見るとTwitterは48%、mixiは47%、Facebookは30%となっている。
これらのソーシャルメディアで、リンクを記載したメッセージの取り扱いについて尋ねたところ、誰から受け取った場合でも無条件でためらいなくクリックするという人はわずか5%にとどまる。詐欺への誘導などに警戒心があることがうかがえる。
しかし、直接面識のある友人や知人からとなると47%がクリックするという。直接面識がなく、ソーシャルメディアなどネットだけでの交流であればこの割合は16%にとどまる。また誰からのメッセージであっても警戒してクリックしないという人も11%いた。
ちなみに年齢で見ると、若年層ほど警戒心が薄い傾向にある。面識のある友人・知人からのメッセージにあるリンクを気にせずクリックするという人は、50歳代では35%だが、20歳代では58%に達する。また性別でこの割合を見ると、男性(43%)より女性(51%)の方が警戒心が薄い。
トレンドマイクロによると、インターネット上の攻撃者はこうした利用者の心理的な隙を狙ってくる。ソーシャルメディアでも万が一の被害を予防するために、少しでも不審なメッセージは即座にクリックせず、周囲に相談するなど慎重な行動が求められるとしている。
(植木 皓=ニューズフロント)