九州電力玄海原発3号機(佐賀県)の耐震性の安全性再評価(バックチェック)に関するデータの入力ミスが見つかった問題で、原子炉や原子力施設を持つ電力会社など11事業者は22日、調査結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。関西電力高浜原発3、4号機(福井県)で計3カ所の入力ミスが新たに見つかったが、耐震性に問題はないという。他の事業者の原発などでは入力データに誤りはなかった。
保安院は同日、関電で新たなミスが見つかったことを受け、全12事業者に対し、データ入力と解析方法にミスがなかったか再点検するよう指示した。今回の再点検の結果報告が終わるまでは、安全評価(ストレステスト)の報告は受け付けない方針。保安院は「遅くとも10月末までには、新たに求めた再点検の報告書が出るのではないか」としている。
保安院は今年7月、九電が09年に提出した同原発の安全性再評価で計3カ所のミスが見つかったと発表した。再評価のための解析は、大林組に委託していた。大林組は他原発も請け負っており、保安院は今月22日までに同様のミスがないかなどを調べるよう事業者に指示していた。問題の発端となった九電は10月末までに報告する。
このうち関電は、大林組の実施部分では問題はなく、自主的に大林組と異なる会社に委託した部分を点検した。その結果、09年3月に提出した竹中工務店による高浜原発3、4号機の中間報告書で、原子炉建屋の外壁の曲がりにくさを示す変数を間違え、地震で生じる建屋のひずみを約2%程度過小評価していたことが判明した。中間報告書について、保安院は10年11月に「妥当」と評価していた。関電は「ミスはあったが、耐震性に問題はない」としている。【河内敏康、安藤大介】
毎日新聞 2011年8月22日 21時49分(最終更新 8月22日 23時34分)