2007年11月15日、ニューヨーク(New York)のニューヨーク科学館(New York Hall of Science)で200桁の13乗根の暗算に挑むフランス人のアレクシス・ルメール(Alexis Lemaire)さん。(c)AFP/DON EMMERT
【11月16日 AFP】「人間計算機」の異名を持つフランス人男性、アレクシ・ルメール(Alexis Lemaire、27)さんが15日、米ニューヨーク(New York)のニューヨーク科学館(New York Hall of Science)で、200桁の数字の13乗根を計算機を使わずに72.438秒で解いて自身の持つ世界記録を更新した。
ルメールさんは、パリ(Paris)近郊のランス(Reims)の出身で、人工知能学を専攻する博士課程の学生だ。自分では数学オタクと思わないというが、わずか1分強で、ある数字の13乗根、2397兆2076億6796万6701を暗算で解いた。
「最初と最後の桁はすぐにわかりますが、その間の桁を解くのがとても難しいんです」とルメールさんはAFPに語った。
しわの寄った額、濃いまつげ、あごひげに眼鏡という容貌のルメールさんは、過去数年間にわたって200桁の13乗根の暗算に挑戦し、繰り返し記録を更新してきた。前回は77秒台で解いた。
暗算方法についてルメールさんは「コンピュータの代わりに自分の頭の中にある人工知能システムを使っています」といとも簡単に説明する。
「大半の人が同じことをできると思いますが、わたしの人工知能はとても高速で、時には異常に速く動くんです。暗算しているときは脳が猛スピードで働きますから、あとで薬を飲まねばならなくなることもあります。ここまで速く働く脳がなくても、大きな数字の暗算は可能だと思いますが、わたしほど簡単にはできないでしょうね」
自分は数字に強いと気がついたのは、11歳ぐらいのときだったそうだ。だが意外にも、学校での数学の成績はよくなかった。
クラスで1番だったわけではなく、本を頼りに独学で勉強したそうで、頭の働きを速くするために毎日の練習を欠かさず、コーヒーやアルコールは飲まず、糖質や脂質を多く含む食事は避けてきた。
「人間計算機」のあだ名を持つまでになったが、自分では「人間コンピュータ」とうあだ名の方がもっと正確だと思う、と珍しく笑顔を見せた。
最大のライバルは「某ドイツ人」だが、どんな有能な数学者に挑戦されても不安はないと話す。100桁の数字の13乗根しか解けないライバルたちにとって、200桁は「難しすぎる」からだ。(c)AFP/James Hossack
ユーザー制作のスライドショーをご紹介。無料で簡単な会員登録で見られます。