「プルトニウムと塩は大差ない」の教授へのカネ、そして政官財の強硬姿勢の背後に何が?
まだあったテレビ学者への“原子力村マネー”流入! 「推進派の巻き返し」が着々と進んでいる
(SAPIO 2011年8月3日号掲載) 2011年8月22日(月)配信
文=佐々木奎一(ジャーナリスト)
政府が原発の再稼働問題で二転三転する中、政・官・財・学が一体となった“原子力村”は、巻き返しに必死だ。佐々木奎一氏が、推進派の実態をレポートする。
3月28日、福島第一原発敷地内の土壌からプルトニウムが検出されたことが公表された。その6日後の4月3日、テレビ朝日の番組に出演した北海道大学大学院の奈良林直教授(工学研究科原子炉工学研究室)は、なぜか妙に明るい表情で、こう発言した。
「塩を200g摂ると、致死量といって成人男性の方は半分の方が亡くなります。200gの塩で。ところがプルトニウム239を飲み込んだ場合の致死量は32gです。ですから飲み込んだ場合の毒性は、塩とそんなに大差ないんです」
この「プルトニウムは塩と大差ない」発言の奈良林氏は原発行政をチェックする原子力安全委員会の専門委員を務める。その同氏について、過去5年間の「奨学寄付金」「共同研究費」「受託研究費」の実態を情報公開請求によって調査した。
*「奨学寄付金」「共同研究費」「受託研究費」 「奨学寄付金」は研究や教育のために、民間企業や個人が特定の教授や講座を指定して資金を提供できる。「共同研究費」とは、製品開発などを目的に企業などが大学教員と共同で研究を行なう際の経費負担。「受託研究費」は、教員に研究を委託した場合の経費負担。
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