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不育症:患者140万人 妊娠経験の4.2%--厚労省研究班推計

 妊娠はするものの流産や死産を繰り返す「不育症」患者は妊娠経験者の4・2%で発生し、140万人いると推定できることが、厚生労働省研究班の調べでわかった。不育症の発症頻度や患者数の調査は初めて。29日から大阪市で始まる日本産科婦人科学会で報告される。

 名古屋市立大学が07~10年、愛知県岡崎市で健康診断を受けた35~79歳の女性2733人に尋ねた。妊娠したことのある女性2503人のうち953人(38%)が流産の経験があると回答。研究班は不育症を「2回以上の流産や死産あるいは早期新生児死亡がある場合」と定義しており、2回以上の流産を経験したのは105人、3回以上は22人だった。研究班が07年の人口統計を基に推定すると、不育症は年3万人が発症し、140万人の患者がいるとみられる。

 また不育症に該当した105人のうち、9割超の100人が出産しており、名市大の杉浦真弓教授は「流産を重ねても出産している。くじけないでほしい」と話す。不育症の原因は▽子宮の形の異常▽カップルの染色体異常▽血栓で胎児に栄養が届かない--などだが、7割近くは原因不明だ。【五味香織】

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 23日からくらしナビ面で「こうのとり追って第3部 不育症」を連載します。

毎日新聞 2011年8月22日 東京朝刊

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