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【スポーツ】日大三が10年ぶり2度目のV 光星学院を猛打で圧倒2011年8月21日 紙面から ◇第93回全国高校野球選手権<最終日>
日大三(西東京)が決勝で光星学院(青森)に11−0で圧勝、今夏の地方大会に参加した全国4014校の頂点に立った。同校は第83回大会(2001年)以来、10年ぶり2度目の優勝で、1971年春のセンバツと合わせて、通算3度目の甲子園制覇。西東京代表の優勝は06年に優勝した早実以来、5年ぶり。光星学院は青森県勢として42年ぶり、同校としては初の決勝に進んだが、東北勢初の全国制覇は成らなかった。 10年ぶりの甲子園の空に、54歳の日大三・小倉全由(まさよし)監督が3度舞った。最後まで手を緩めない猛攻で、2本塁打を含む13安打。全6試合2ケタ安打での優勝は史上4校目。大会新のチーム打率で打ち勝った2001年と同様、“強打の三高”の名を全国にとどろかせた。小倉監督は「甲子園の決勝で、こんな理想的な勝ち方をしてくれるなんて…。みんなホントによくやってくれた」と選手に感謝した。 孝行息子1番手は、この夏から5番に座る高山俊右翼手。3回2死一、三塁で、甘く入った初球スライダーをバックスクリーンまで弾き返した。2試合連続で節目の高校通算30号となる先制3ランに「きょうはオレ、ラッキーボーイじゃない?」と気を良くし、最大のピンチだった5回2死一、二塁で相手打者・秋田の右前打を好返球で本塁補殺。6回にはテキサス安打になりそうな飛球をスライディングキャッチ。7回にも適時中前打を放ち5打点と、勝利への流れを作った。 「強打の三高」にあこがれて入学し、1年秋から1番・正右翼手の座をつかんだが、昨春センバツは打率1割3分3厘と大不振。決勝はスタメンを外され、延長に入ってからようやく守備固めで出場した。1年半ぶりにめぐってきた甲子園決勝で借りを返すと「やってきたことが報われた」と涙ぐんだ。 高山以外にも、2001年の優勝を見て日大三の門をくぐった選手は多い。その中でレギュラーをつかむため、自主練習などで切磋琢磨(せっさたくま)し、「あまりパワーはない」と自覚する高山が求めたのはスイングスピード。試行錯誤の末、普段のバットより10センチ長く20グラム軽い竹バットで振り込み、チーム一の時速148キロをマークした。 小倉監督は「1−0で勝つのもいいけど、10−0で勝てれば理想」と掲げ、「吉永が疲れて10点取られたら、20点取ってやれ」と打線にハッパを掛けた。畔上主将が常々言ってきた「絶対に自分たちが全国で一番振り込んでいる」という自信が、監督の理想を現実にしてみせた。 (竹村和佳子) PR情報
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