2011年6月23日 20時38分
東日本大震災では海底下の断層が54メートル以上ずれていたことが、国土地理院の今給黎(いまきいれ)哲郎・地理地殻活動総括研究官の解析で分かった。また、ずれがプレート(岩板)境界に近い場所で起こったことも判明した。こうした要素が重なって、海底が10メートル以上隆起し、巨大津波につながったという。23日に東京都内で開かれた報告会で発表した。
地震を起こす断層が海にあると観測が難しくなる。これまでの断層のずれは、陸地での観測から24メートル以上とされていた。
今給黎さんは、陸地の地殻変動をとらえる国土地理院のGPS(全地球測位システム)の観測網に、海上保安庁の観測船によるデータを組み合わせて調べた。その結果、陸地だけでは得られなかった海溝付近の状況が分析でき、正確なデータが得られた。【久野華代】