中国:高速鉄道、米で特許申請検討 日本の技術がベースに

2011年6月23日 19時35分 更新:6月23日 21時9分

日本などの技術を改良して中国が開発した和諧号「CRH380A」=上海虹橋駅で2011年6月10日、隅俊之撮影
日本などの技術を改良して中国が開発した和諧号「CRH380A」=上海虹橋駅で2011年6月10日、隅俊之撮影

 【北京・成沢健一】23日付の中国英字紙「チャイナ・デーリー」は、中国の鉄道車両製造大手「中国南車」が高速鉄道用車両「CRH380A」の技術特許の米国での申請を検討していると報じた。日本や欧州勢と受注を争う米国の高速鉄道整備計画への参入を有利に進める狙いがあるとみられるが、この車両は川崎重工業など日本の技術をベースに改良されており、特許を巡る紛争に発展する可能性もありそうだ。

 「CRH380A」は北京と上海を結ぶ高速鉄道の主力車両の一つ。同社幹部は、初期段階で日本の技術を導入したことを認めつつ、「時速380キロでもスムーズに走行できるように、台車や車両の先端部、車体の外板を改良し、1億元(約12億4000万円)以上を投入した」と説明した。同社はこうした技術の特許申請を目指している模様で、既存の特許と比較するために米国の弁護士を雇ったという。

 中国の高速鉄道を巡っては、鉄道省の元幹部が中国紙の取材に、独自の技術で最高時速を引き上げたわけではなく、汚職疑惑で2月に解任された劉志軍前鉄道相が安全性より「世界一」となることを優先して設定したと証言していた。後任の盛光祖鉄道相は高速鉄道の最高時速を350キロから300キロに引き下げる方針を表明しており、北京-上海間の高速鉄道にも適用される。

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報