2011年6月21日 21時40分 更新:6月22日 7時38分
福島県は21日、東日本大震災の被災者が受ける生活保護について、義援金の1次配分40万円分(県の上積み分5万円を含む)を収入と認定せず、保護打ち切りや減額対象にしないと発表した。対象は、県が事務を担当する町村部の住民で、市については各自治体が判断する。義援金や東京電力福島第1原発事故の仮払補償金を収入とみなし約150世帯の保護を打ち切った南相馬市は「対応は変えない」としており、居住地によって扱いが分かれる可能性もある。
これまで、義援金や東電の仮払補償金(世帯100万円、単身75万円)は、震災前の生活を取り戻すための住宅の補修や家電製品の購入といった用途以外は収入として認定され、保護を打ち切られるケースもあった。
しかし、「生活再建に必要な経費を被災者が自分で把握するのは難しい」などの声が相次ぎ、義援金の1次配分については収入から除外し、すでに関係書類を提出した受給者についてもさかのぼって適用する。一方、仮払補償金については、従来通りの扱いとなる。
県内の町村部で、義援金などを収入とみなして6月に保護を停止したケースは4件。県社会福祉課は「被災者の負担軽減のため取り扱いを変えた。各市にも県の考えを伝えたが、屋内退避が多かった南相馬市など地域で実情が違い、県の考えは押し付けられない」としている。【石川隆宣】