東大来春入試:センター試験2科目選択、最初の科目で判定

2011年6月21日 21時22分

 東京大は来春入試の合否判定で、大学入試センター試験の地理歴史・公民、理科について、受験生が各教科で2科目を選択した場合、最初に解いた1科目を判定材料にすると発表した。受験生の選択の幅を広げるため、来年から採用される「2科目選択」だが、試験実施方法の問題点により、実質的な意義が薄れた形になった。

 センター試験の実施要項は今月1日に発表され、地理歴史と公民は計10科目、理科も6科目から、それぞれ最大2科目が選択可能になった。受験生にとっては、より受験の窓口が広がる変更だった。

 2科目選択者の試験時間は、10分間の休憩を挟んで1科目60分ずつ計130分。最初の60分で第1科目の解答用紙は回収されるが、問題は全科目が一つの冊子にまとめられており、第2科目に絞り120分を使って問題を解くことも可能だ。

 東大は2科目選択者について、得点が高い方の科目を合否判定に利用するとしてきたが、こうした不公平を防ぐため第1科目の成績を使う方式に変更した。独立行政法人・大学入試センターによると、こうした不公平感が指摘されても実施方法そのものを見直す考えはなく、東大同様の利用方法を国公私立大に説明しているという。

 大手予備校・代々木ゼミナールの坂口幸世・入試情報センター本部長は、東大の変更について「一番納得しやすい方法で、旧帝大や難関大が足並みをそろえる可能性がある」とする一方、「拘束時間が長くなる2科目受験をわざわざ申請する受験生は少なくなるのではないか」と指摘している。【木村健二】

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