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貿易統計:扇風機や放射線測定器などの輸入が急増

震災後に急増した主な輸入品
震災後に急増した主な輸入品

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故や電力不足を受け、扇風機や発電機、放射線測定器などの輸入が急増している。輸入額は震災後に伸び始め、6月には過去最高を記録した。被災地での仮設住宅向け需要が高まったプラスチックや木材など資材関連も高水準で推移しており、震災で輸入品の動向は大きく変化している。

 財務省の貿易統計によると、震災が発生した3月以後、輸出は7月まで5カ月連続で減少した。原油価格の高止まりなどで、輸入は震災前から前年同月比10%前後の伸びが続いていたが、財務省が震災後の貿易動向を細かく分析したところ、節電や停電対策、原発事故に関連する製品の輸入が急増していたことが分かった。

 例えば扇風機は、6月に76億円と前年同月の2.1倍に急増した。エアコンに比べて消費電力が少ないため、節電対策の需要が増えたためと見られる。エアコンも省エネ型への買い換えが進み、同36%増の202億円に拡大。工場やビル向け需要が伸びた発電機も同2.1倍の289億円と、いずれも過去最高を記録した。

 また、放射線測定器も6月に同約7倍の10億円と過去最高を更新。財務省は「身の回りの放射能汚染への不安や、海外向け貨物の安全検査で需要が増えた」(関税局)とみている。復旧・復興で需要が膨らむ資材関連では、プラスチックが5月に過去最高の720億円に増えたほか、木材も2億円と約8年ぶりの水準となった。

 日本の7月の輸入額は同9.9%増の5兆7094億円(速報値)で、19カ月連続で前年同月を上回った。震災後に急速に円高が進む一方、原発から火力発電所への切り替えが進んだことで、7月は液化天然ガス(LNG)の輸入も同47.6%増の4281億円となった。製品輸入の詳細な内訳は6月分が最新。【小倉祥徳】

毎日新聞 2011年8月20日 2時35分(最終更新 8月20日 10時11分)

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