九州電力の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール問題」で、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、国主催の説明番組への賛成意見投稿を九電側に要請していたことが20日、分かった。九電の原発を巡る国主催の説明会としては、05年以降に開かれたすべてで、国の関与があったことになり、九電は同省の第三者委員会に報告した。
説明番組は6月26日にあり、関係者によると、番組の数日前の打ち合わせで、エネ庁担当者から「原発再稼働への容認意見が投稿されることが望ましい」という趣旨の発言があったという。番組には589件の投稿があり、うち賛成意見は286件。九電関係者の投稿は141件に上った。
この打ち合わせは、九電幹部の指示で、同社の原子力発電本部の課長級社員が社内外に投稿を要請するメールを送信した後にあったため、九電は「国の要請が番組に直接影響があったわけではない」としている。
第三者委員会への報告書は18日に提出され、このほか▽05年10月の玄海原発3号機のプルサーマル発電計画についてのシンポジウムで、経産省原子力安全・保安院から▽昨年5月の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)3号機増設計画についての第1次公開ヒアリングで、エネ庁から--いずれも動員要請があったことが盛り込まれた。【石戸久代】
毎日新聞 2011年8月20日 23時03分(最終更新 8月20日 23時49分)