2011年8月4日(木) 東奥日報 天地人



 隣の秋田県議会が熱い議論を交わした。「秋田の高校野球はなぜ弱い」。夏の甲子園で初戦敗退が続き、目下13連敗中。本県と山形県の持つワースト記録に並んだ。14連敗の不名誉記録は何としても阻止したいと応援席はちと過熱気味だ。

 議員が声を張り上げる。「たかが高校野球、されど高校野球。この国民的行事の中で、やっぱり秋田県が行ったら勝てる可能性がもっとあるという形にしてもらいたい」。昨年夏、能代商業が鹿児島実業に0−15で大敗したショックを引きずっているようだ。

 知事が宣言した。「甲子園で勝つための戦略を関係機関が協力して練り上げてまいります」。県内外の指導者やスポーツ科学研究者の助言を得る。指導力のある監督やコーチを中学、高校に派遣する。県外の強豪校を招いて練習試合をさせる。投じる強化事業費は995万円に上る。

 「甲子園の敗戦を問題視する県政がむしろ高校生を萎縮させはしないか」と問い掛ける冷めた見方もあった。「互いに励まし合い懸命に打ち込んでいる生徒の背中を見るとき、初戦敗退を議論し上位進出の対策を議論することは、何か子どもたちに申し訳なく思うのであります」。

 外野席から言わせてもらえば、勝ち負けは時の運、こだわることはない。秋田の小中学生の学力は全国トップじゃないか。そっちの方がうらやましい。幸いにして本県代表光星学院にプレッシャーはない。いつもの伸び伸び野球に熱い声援を送ろう。お隣さんのよしみで能代商業にも。


HOME