東京電力福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた工程表で、「ステップ2」という新たな期間が始まって1か月がたち、国と東京電力は、工程表に、放射線の専門技術を持つ作業員を育成するという新たな対策を盛り込み、被ばく線量の削減に力を入れることになりました。
福島第一原発の事故収束に向けて、国と東京電力が作った工程表では、先月中旬、それまでの3か月間の「ステップ1」が終わり、「ステップ2」と位置づけた来年1月までの半年間の新たな期間が始まっています。「ステップ2」の開始から1か月がたち、国と東京電力は、これまでの進捗(しんちょく)状況を踏まえて、作業の総括と今後の取り組みの見直しをまとめました。それによりますと、「課題」の中の「環境改善」という分野に、新たに「要員の育成と配置」という対策を盛り込み、今後の収束作業で不足することが見込まれる放射線の専門技術を持つ作業員を計画的に育成して、被ばく線量の削減に力を入れることになりました。具体的には、国が放射線測定などの研修を行い、250人を育成するほか、業界団体を通じて幅広く作業員を募集する仕組みを導入することにしています。作業員の被ばく線量を巡っては、限度を超える人の増加が懸念されているほか、原子炉の廃炉に向けて、年単位という長期間の作業が避けられず、今後、被ばく線量の管理が一層厳しく求められることになります。