名古屋市中村区で昨年9月あったキャバクラ「クラブインフィニティ」放火殺人事件の約2時間前、同店のドアなどを壊したとして器物損壊と建造物損壊罪に問われた同区の山口組弘道会系暴力団元幹部、浅利英勝被告(34)に対し、名古屋地裁は19日、懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)を言い渡した。水野将徳裁判官は「暴力団の論理に基づく計画的で悪質な犯行だが、賠償金を準備している」などと述べた。
判決によると、浅利被告は10年9月2日午後11時10分ごろ、他の男3人に指示して同店のグラスやドアガラスを壊させた。
公判で検察側は、同店所属の風俗店グループが「みかじめ料」と呼ばれる暴力団への金銭支払いを拒否したことが背景にある、と指摘。浅利被告が所属していた暴力団の組長だった池本賞治被告(46)=殺人罪などで起訴=が、浅利被告に店を壊すよう指示したと主張した。
弁護側は、池本被告と親しい同店の前経営者が風俗店グループに解雇されたことから、池本被告がそれを恨んで犯行を指示したとして、みかじめ料と事件の関連を否定した。
毎日新聞 2011年8月19日 14時07分