とー○ー、なりきり200文字小説企画、陰の闘争、そして爆笑
深夜に知らない奴からメールが届いた。
「200文字小説を読みました。面白かったです。つきましては、○ーよーの200文字何とかに参加しませんか」というような内容だったが、意図も不明だったし、取り敢えずは無視する事にした。
今のところ、なろうに200文字小説を投稿した事はない。単に、『200文字小説は小説なのか』という題名の、400文字の文章を投稿しただけだ。という事は、おいらのケツの痒くなるような駄作のひとかけらも読んでいない筈だ。
どうせ200文字と書いてヒットするユーザーに、手当たり次第に同じようなメールを送ったのだろう。相手にすることはない。
とはいえ、200文字でも面白い作品はままある。
果たして、この男はどんな話を書いているのか、と思い、メールの送り主の、小説とも作文とも言えぬ文字の羅列を読んで見る。
こらあかん。
頭が痛くなったところでヘンタイことエロタイ、じゃないメンタイから電話がきた。おっさん、何時まで起きてるんだよ、と思いつつ、お互いに、お前んとこにもか、と大笑いする。
メンタイは何気にメールを送り返したらしい。「意味が分からないのでお断りします。ところで、二つ返事で答えをくれ、と書いてあるけど、二つ返事というのは承諾する事が前提なので、君のメールは勝手に送り付けてきたくせに、あまりに上から目線ではないかと思います」ってな感じで。
メンタイにしては丁重に断りのメールを送ったのだからそれでいい筈なのに、ここで○ーよーは大きなミスをする。
メンタイに喧嘩を吹っ掛けるようなメールを送り返したのだ。
もうあかん。
メンタイはこういう馬鹿が大好きなのよ。なんせ、ひとをおちょくって小馬鹿にして、騒ぐだけ騒いで勝手に飽きる、それは性質の悪い、エロい上にしつこいおっさんなのよ。
案の定○ーよーが発狂し、鬼メールを送りつける。しかしメンタイは朝からおいらたちと海遊び。無視されたと思った○ーよー、ついに自分の携帯電話番号(ウィルコムは安いのよ)をメンタイに教え、かけられるものならかけてみやがれ、と挑発し出す始末。
メンタイ、大いに喜ぶ。おいらも大いに笑う。
で、海遊びから帰ったメンタイが○ーよーの携帯に電話してみる。
メンタイと彼女、彼女の友人でおいらの彼女の四人が耳をそばだてていることも知らずに、アホな科白の応酬が始まったのだ。
○ーよー。それは九州在住の無職の男。語彙が無く、何を言っても「バーカ、バーカ、お前なんかバカ!」の繰り返し。
「おまえ、他に喧嘩する時の言葉知らねえんじゃないの」、というメンタイに、
「馬鹿にするな。もし俺がメンタイの目の前にいたら、お前なんて髪の毛引っ張って腹に蹴りいれてボコボコにしてやるからな」
ここでみな爆笑。おいらは口は立つけど喧嘩は弱い、逃げるが勝ちよ、という妙な自負はあるけど、メンタイはそうじゃない。喧嘩慣れしている奴というのは、傍から見ても解るもんだ。やだね~。
でも、こいつならおいらでも行ける、と思うくらい、○ーよーは幼稚で、弱っちいのだ。
「お前のセリフで、俺の彼女が爆笑してるよ」
女に免疫が無いのか、それを聞いて○ーよーは動揺する。
「お前、本当に26なのか。もっとガキだろう? 本当なら、自分の生まれた干支を言ってみな」呆れるメンタイ。
「そんな事、お前に言う必要ないだろ」
己のプロフィールに書いてあるだろうが。
1985年生まれと言っているが、自分の干支も分からない。歳を誤魔化しているのか、それとも本当に馬鹿なのか。
だが、その答えも「メンタイのバーカ」
この辺でなんだか可哀想になってくる。
気を取り直して、「なあ、何で○ーよーの200何とか、って思いついたんだよ」
優しく声をかけてみると電話が切れた。だがしつこく言うが、メンタイはしつこい。また電話する。「何でか言ってみろよ」
観念したのか、ぼそぼそと話しだす。
「友達が欲しかったんだ」
ここで何となく暗くなった。確かになろうで騒ぐ奴は、そういう奴が多いよな、と思う事がある。実際、おいらもメンタイもなろうで知り合って友人、いやただの知り合い、いや、顔見知りかな、という程度の他人にはなったのだから。
頑張れ、○ーよー。いつか君にもいい理解者が現れ、真の友人と呼べる奴が出来るかもしれない。
おいらたちは応援してるよ!
その前にその性格と「バーカ」しか言えない語彙の低さを直せばな。
ああ、時間の無駄だった。
なりきり企画に誘われたので、乗っただけです。200で書くにはあまりにも惜しい人材なので、敢えて掌編にしました。
なろうで人気者になりたい、トーヨーさんに捧げます。
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