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徹底討論・モラル欠如で招いた人事交代~(株)エバーライフ(前)

2011年7月12日 16:13

 突如発表された(株)エバーライフ・鍋島社長を含む取締役員の退任劇。前社長が就任後、コストフォーマンス無視ともいえる膨大なテレビ広告を出稿し、その裏にはダンピングをはじめ、電通への切り替えの裏には子息のコネ入社が見え隠れするなど、公私混同ともいえるさまざまな疑惑がある。とは言え、何より健康食品経営者としての販売に対するモラルやコンプライアンス欠如が招いた結果だったのではないか。今回、エバーライフのトップ交代について、データ・マックス内で緊急討論を実施した。

座談会のようす  エバーライフの社長交代の裏には、広告を出す代わりにダンピングしていたなど、公私混同的な経営などもある。ある意味、起こるべくして起きた話。昨年売却したキューサイとの共通点はファンドが経営したことにあるが、経営者が同じカテゴリーでキューサイがうまくいき、なぜエバーライフは上場もできずに失敗したのかがわかる。

 O エバーライフが最初に深海鮫のサプリメントを売り出していた当時は、健康食品通販市場が成長過程のときに出てきた。一方で、キューサイの創業社長・長谷川常雄氏は、市場そのものを想定して商品をつくってきた。その点が大きく違う。パイオニア対亜流というか、起業基点や経営哲学が違う。長谷川氏はもともと体調を悪くしたことをきっかけに青汁を販売し、最後は上場した。その後、やずや、アサヒ緑健など新規参入企業が相次いで青汁市場を形成したという意義は大きかった。

  エバーライフ創業者で元社長の井氏は、もともと不動産業界の出身。テレマーケティングで不動産を販売していて、ついでに市場が成長している健康食品も販売しようと思ったという。そういう意味では、キューサイの長谷川氏とは違う。

 T キューサイは訪問販売からスタートし、製品の品質に対する理念は高かった。エバーライフの鮫肝油サプリメントも、もともとは国産で五島産アイ鮫という高品質の鮫原料を使っていた。これは体感があって、健康回復支援研究所を通じて販促活動を行ない、売上を伸ばした。
 しかし、途中から品質を下げた鮫原料を使うようになって売上が鈍化し、その後に新製品として、アダプトゲン製薬の特許原料であるヒアルロン酸含有サプリメント「皇潤」を販売し出した。けれども、こちらも売上が伸びたと同時に、アダプトゲン製薬社製以外の安価で品質を落としたヒアルロン酸原料を使うようになった。
 熊本のえがおも安い黒酢原料を使っている。売れ始めてブランド力が付くと、たとえ効果がはっきりしなくても売れるので、広告費にコストを費やすため品質を下げるという販売促進方法が採られがちだ。
 エバーライフの元社員に聞くと、「原料切り替えの際、高額なアダプトゲン製薬の原料を切りたかったが、動物試験などで調べたら、同社以外で効果がある原料はなかった」という。しかし、それでも切り替えたのだが、その途端に消費者からクレームが入り始め、最近では消費生活センターや消費者団体からも質問状がくるようになったと聞かれる。

 O キューサイも「ヒアルロン酸コラーゲン」という健康食品を販売しているが、皇潤と同じ原材料を使用しているのか。

  おそらく違うと思う。別のところだろう。

 T ヒアルロン酸は、もともと美容素材としての認知度が高い。こちらもエバーライフと同様、関節訴求のサプリメント。そういえばキューサイの青汁も、かつてはケール100%と謳っていながら、一部製品でキャベツの混入が発覚し製品を回収したことがあった。そのため、分析研究所をつくったりしてコンプライアンスに注力していたのだが、売上は落ちていき、通販専門の商品としてヒアルロン酸コラーゲンを投入した。今の売上比率は青汁と半々か、もしくはそれ以上になっているのではないか。


  キューサイの研究所設立は、危機を教訓に変えたのか。意識がまったく違う。そうして企業力を高めて売却したということであれば、それはそれで良いのでは。

 T 分析研究所が設立されたときは、厚生労働省が残留農薬の一斉検査を求める「残留農薬ポジティブリスト」を施行した時期で、当時は全国の企業から受託分析の注文が殺到したと聞いた。

  ファンドはグレーゾーンの販売を嫌がるが、そもそもエバーライフをめぐる問題はどのように噴出していたのか。

  ファンドの角度からはちょっとわからないが、キューサイが「ヒアロコラーゲン」を販売した当時は、訪問販売の規制強化を目的とした特定商取引法(旧訪問販売法)が大幅に改正された時期で、通販にシフトアップしたのもその影響があったかもしれない。
 皇潤が売れたのは、それまで美容のイメージが強かったヒアルロン酸を関節訴求でアプローチをしたのが大きかったと思う。しかし、売れた後に、品質を落としてまで効くかどうかもわからない商品を、広告コストや消費者を無視したいわゆる「売りっぱなし」的な販売体質がもともとあったのだろう。それに加えて、追従する競合他社の参入により、シェアを食われて業況が悪くなったといったところだろう。

(つづく)

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