放出は減少も除染などが課題に
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放出は減少も除染などが課題に

8月18日 6時16分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所から外に放出されている放射性物質は減ったと評価されましたが、今後、原発から3キロ圏内の一時帰宅や「緊急時避難準備区域」の解除が予定されているなかで、すでに漏れ出した大量の放射性物質をいかに取り除くかなど多くの課題が残されています。

原発からの新たな放射性物質の放出量は、東京電力が、前回試算した6月下旬現在では、1時間当たり10億ベクレル程度で、新たな放出による敷地周辺での被ばく線量は、1年間に1.7ミリシーベルトと評価されました。これに対し今回の試算では、先月下旬から今月中旬にかけての新たな放射性物質の放出量が前回の5分の1に減って、1時間当たり2億ベクレル程度で、新たな放出による敷地周辺での被ばく線量も1年間に0.4ミリシーベルトと下がっています。こうした放射性物質の放出について、東京電力は、格納容器の中に残っていたり、汚染水に含まれていたりする放射性セシウムなどが粒子状になり、水の蒸発に伴って放出されているとしています。一方、原発の外にはすでに大量の放射性物質が放出されていて、最も多いとされる事故直後の3月15日には今回の評価の1000万倍となる1時間当たり2000兆ベクレル程度が放出されています。福島第一原発の周辺では、原発から半径3キロ圏内の地域では、モニタリングを実施したうえで今月中から一時帰宅が実施される予定で、また原発で緊急事態が生じた時に避難などを準備する区域として政府が指定した「緊急時避難準備区域」では、一括して解除が計画されています。こうした一時帰宅などに向けては、放射性物質の外部への放出を抑えることに加え、すでに放出された大量の放射性物質の除染や、除染によって発生する土砂などの処分、それに上下水道などのインフラの復旧など、解決しなければならない多くの課題が残されています。